お知らせ・店主ブログ

【ブログ】お茶屋が伝えたい急須のおはなし

 

こんにちは、網代園のあさみです。

本日はお茶ではなく、急須のおはなし。

急須をお持ちの方もそうでない方も、
網や注ぎ口の形までじっくり眺める機会は、あまりないかと思います。

お気に入りの茶器が見つかれば、お茶を入れる時間もさらに楽しくなるはず。
ぜひご笑覧くださいませ。

 

 

急須ってどんな種類があるの?

さっそくですが、皆さまが普段お使いの急須、あるいは頭に思い浮かべる急須は、
どのような素材でしょうか。

ひとくちに急須といっても、
有田焼に代表される磁器製、中の様子が見えるおしゃれなガラス製、
昭和レトロなアルマイト製など、実に多くの種類が存在し、
お茶屋だけでなく、食器屋さん・雑貨屋さんなどでも購入することができます。

今でもよく見かける朱色の急須は、常滑(とこなめ)焼といって
日本六古窯(中世から現在まで生産が続く、代表的な6つの窯)のひとつ
愛知県の常滑(とこなめ)で作られている急須。

お茶屋では、こうした常滑焼や、三重県の萬古(ばんこ)焼といった、
素焼きと呼ばれる陶器製(釉薬で覆っていない焼き物)の急須を取り扱うことが多いです。

 

 

急須選びのコツは、中までじっくり覗くこと?

今度は、蓋を開けて、急須の中を覗いてみましょう。

常滑焼・萬古焼以外の急須は、多くの場合、ステンレスや樹脂製のカップ網がついています。
このカップ網、茶殻を捨てるには都合がいいのですが、
急須に直接ついている網と比べ、お茶っぱの広がるスペースが限られてしまうため
お茶の旨みを十分に引き出しづらいという欠点も。

網代園では、
ステンレス製の平網・帯網・底網・さわやか網・ブランコ網
急須と同じ土で作った細(ささめ)網・セラメッシュ網
などなど、特徴の異なる網の急須を、10種類以上取り扱っています。

これは、お客様が普段どうやってお茶を入れるか、使った後のお手入れはどうするか
その方の生活様式やお悩みに合った急須をご提案したいという思いから。

ついデザインや色、容量などに目が向きがちですが
今後は、急須の中身にも着目していただけると嬉しいです。

  

 

まだまだある!急須のこだわりポイント

 

次は、急須の注ぎ口を見てみましょう。

単なる筒形ですと、裏漏り(うらもり)といって、注ぎ口の下の方へお茶が伝わってしまうため
画像の萬古急須は、口部分が反り口になっている上、先端をわずかに持ち手側へ向けてカットしています。
お茶を注ぐときは、急須を真横ではなく、少し手前に傾けることになるので
このような形になりました。

また、急須の持ち手と注ぎ口の角度は、直角(90°)ではなく、約85°~87°につけられています。
これもまた、お茶を注ぎやすくするための工夫です。

“ 使いやすさへのこだわり ” という点では、
常滑焼・萬古焼に勝る急須は、なかなかないと考えています。

新しい急須を購入する際は、見た目や大きさ以外にも
普段の生活様式、湯呑みのサイズや個数などを考えながら、
実際に手に取り、お茶を注ぐ真似をしてみてください。
持ち手の長さが少し違うだけでも、持ちやすいかどうかが変わってきますよ。

 

使いにくい急須のお手入れ方法

普段のお手入れは、急須を水洗いするだけで十分。

ただし、濡れた状態は茶渋が残り、雑菌も増えやすくなるので、
蓋を開けて、中までしっかり乾かすようにしましょう。
急須を2つ用意し、朝・晩と交互に使うのもおススメです。

網が目詰まりして使いにくくなったら、
網の部分を日光浴させた後、乾いたブラシで擦ると茶渋がとれます。

漂白剤につけてもよいのですが、ステンレスタイプの網であれば、
形状によっては外して洗ったり、新品に取り換えたりすることもできます。
お近くにお住まいでしたらお手入れも承りますので、気軽にご相談ください。

 

 

まとめ

急須の特徴は、文字にするとわかりづらいのですが、
改めて観察してみると、新しい発見があると思います。

胴体・口・持ち手・蓋・網を別々に作り、乾燥させ、貼り合わせてから
細かい部分を調整して焼き上げる作業は、とても繊細です。

急須は、日本人の生活に根ざす身近な茶器でありながら、
高い技術が結集した芸術品でもあります。
ぜひ、可愛がってあげてくださいませ。

皆さま、すてきな “ お茶時間 ” を。