お知らせ・店主ブログ

【ブログ】お茶の時間に欠かせないパートナー・和菓子のおはなし

こんにちは。八王子の日本茶専門店・網代園です。

皆さまは、6月16日が和菓子の日であることをご存じでしたか。

今回は、日本茶の良きパートナーである和菓子に焦点をあて
おはなししてまいります。

 

 

和菓子ってどんなお菓子?

和菓子は、日本の伝統的な菓子の総称です。

明治時代以降、西洋から新しく入ってきた洋菓子に対する言葉で
卵やバター、牛乳など動物性のものを主原料とする洋菓子とは異なり
米や麦、豆といった植物性の原料を使うことが多いのが特徴。

多種多様な和菓子は
水分量によって、大きく3種類に分けられます。

 生菓子(なまがし)   … 大福、どら焼き、わらびもちなど
 ※水分量が30%以上

 半生菓子(はんなまがし)… もなか、羊羹、甘納豆など
 ※水分量が10~30%

 干菓子(ひがし)    … せんべい、金平糖、落雁など
 ※水分量が10%以下

この他、茶道の世界では主菓子(おもがし)干菓子に区分され
季節の行事や情景を感じられるよう、見た目や素材にも趣向がこらされています。

 

 

なぜ6月16日が「和菓子の日」なの?

なぜ6月16日が和菓子の日なのでしょうか。

その起源は、なんと平安時代。
国内に疫病が蔓延し、当時の天皇が「嘉祥」と年号を改めます。
そして、嘉祥元年(848年)の6月16日、16個の菓子や餅を供え
疫病除けと健康招福を神仏に祈りました。

この故事にちなみ、毎年6月16日に和菓子を食べて健康を祈願する
嘉祥(かじょう)という行事が行われるように。

特に江戸時代、幕府や宮中では重要な儀式となり
江戸城の大広間には2万個を超える菓子が並び
将軍から大名・旗本らへと菓子が送られたそうです。

明治時代以降、この慣習は徐々になくなってしまいますが
日本の食文化を正しく後世に伝え残そうと、1979(昭和54)年
全国和菓子協会によってこの記念日が制定されました。

  

 

和菓子をいただく時のマナーは?

茶請け(おちゃうけ)として人気の和菓子。
おいしく味わっていただくのが一番ですが、
「マナーがわからず緊張してしまう」というお声も耳にします。
せっかくの機会ですので、基本的ないただき方をご紹介しますね。

練り切りや羊羹など、水分量が多い菓子は
黒文字(くろもじ)と呼ばれる楊枝などを用い
一口大にカットしてから口へ運びましょう。

この他、饅頭やもなかは手で食べやすいサイズに割ってから、
小さな干菓子は、そのまま指でつまんでいただきます。

さらに、お茶の湯の席では、交互に口にするということはせず
お茶(抹茶)より先にお菓子を食べきるという作法があります。
これは、「菓子はお茶の味わいを引き立てるもの」という考えから。

また、お茶はカテキンやカフェインを含んでおり
空腹時にこれらの成分を摂ると、胃を刺激してしまう可能性も。
こうした負担を和らげるのも、所以のひとつといわれています。

 

 

まとめ

後半は作法のおはなしに触れてしまいましたが、難しいことは抜きに
お茶も和菓子も、気軽な気持ちで楽しんでいただけたら嬉しく思います。

それでは皆さま、すてきなお茶時間を。