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冷茶でいっぷく-味わい広がる夏のお茶のススメ

明治24年創業、八王子のお茶屋・網代園(あじろえん)です。
暑さ増す季節、
冷たいお茶がおいしく感じられるようになりました。
冷茶・水出し向きの茶葉やティーバッグ、
涼しげなガラス製の茶器やボトルなどが店頭に並び
つい、新しいアイテムに手が伸びそうになりますが
今年の夏は、もっと手軽に冷茶を味わってみませんか?
用意するのは、普段使っている茶葉と急須(茶器)。
これだけで、おいしい冷茶を簡単に淹れることができるんです。
今回の記事では、水出し式と急冷式
2種類の冷茶の作り方をご紹介します。
気分や好みに合わせ、夏のお茶を存分にお楽しみください。
-目次-
1.水出し式ってどんな淹れ方?
・ 水出し式〈 基本の淹れ方 〉
・ やさしい甘さ〈 こんな方におすすめ 〉
2. 急冷式ってどんな淹れ方?
・ 急冷式〈 基本の淹れ方 〉
・ さっぱりとした清涼感〈 こんな方におすすめ 〉
3. 冷茶を飲むときの注意点は?
・ 体が冷えやすい方は〈 飲みすぎに注意 〉
・ 一度にたくさん作る方は〈 作り置きに注意 〉
4. 終わりに
1.水出し式ってどんな淹れ方?

時間をかけて、じっくりとうまみを引き出す水出し式。
淹れ方も簡単なので、さっそくみていきましょう。
〈 基本の淹れ方 〉
手順はとてもシンプル。
いつもの急須に、いつもの分量の茶葉を入れ、
適量の水を注いで10~30分ほどおくだけです。
以前はよく、「ひと晩冷蔵庫で寝かせる」と聞きましたが
最近の研究では、常温の水を使用する場合は
2時間以上おく必要はないのだそう。
もちろん、常温水だけでなく、冷水出し・氷出しも可能です。
その場合はお好みに合わせ、少し長めに時間をおいてみてください。
〈 おすすめの方 〉
水出し式でつくった冷茶は、カフェイン控えめ。
渋みや苦みが出にくく、お茶の甘さが際立つ味わいです。
また、お湯を使っていないため変色が起こりづらく
美しい水色を長く保てるのも嬉しいポイント。
・甘みのある、やさしい味わいが好きな方
・カフェインを控えたい方
・外出先に持ち歩きたい方
などにおすすめです。
関連記事:日本茶の栄養素と健康効果のおはなし
2.急冷式ってどんな淹れ方?

「30分も待てないよ」という方は、別の方法で冷茶をつくってみましょう。
〈 基本の淹れ方 〉
お湯と茶葉、いつもの急須に加えて、氷をご用意ください。
お茶っぱを少し多めに使い、濃く淹れた熱々のお茶を
氷の入ったグラスや湯呑みへ注ぎ入れれば
日本茶のオン・ザ・ロックが完成。
氷で一気に温度を下げることで
香りが閉じ込められ、風味豊かな一杯に仕上がります。
〈 おすすめの淹れ方 〉
急冷式は、お湯を使いカテキンなどの成分をしっかり抽出するため
すっきりとした渋みと清涼感を楽しむことができます。
水出しのように時間がかからないので
突然の来客があったときにも便利ですよ。
・さっぱりした渋みが好きな方
・食後、口の中をすっきりさせたい方
・香りを重視したい方
などにおすすめです。
関連記事:日本茶の栄養素と健康効果のおはなし
3.冷茶を飲むときの注意点は?

最後に、冷茶をよりおいしく、体にやさしく飲むためのポイントをお伝えします。
〈 飲みすぎに注意 〉
夏、エアコンの効いた室内に長時間いると
気づかないうちに体が冷えてしまっていることがあります。
漢方の世界において、緑茶は体を冷やす食品に分類されていますから
冷えが気になる方は、飲みすぎにご注意ください。
「暑い日に熱いお茶」も、さっぱりしておいしいもの。
温かいお茶には、冷えた胃腸を温めてくれる効果があるほか
発汗を促して体温調節が行われるため、冷たい飲み物に比べ
喉の渇きが落ち着きやすいともいわれてます。
朝や夜・食後などは、あえて温かいお茶を選ぶのもいいかもしれません。
〈 作り置きに注意 〉
冷茶をつくるとき、大きなボトルやポットを使うと
一度にたくさんの量を用意することができて便利ですよね。
ただ、時間が経つと風味が落ちたり、水色が濁ってしまったり
夏場は、雑菌の繁殖など衛生面も気になります。
そんなときは、今回ご紹介した方法をぜひお試しください。
普段の急須なら「今、飲む分だけ」を淹れることができるので
つねに淹れたて、新鮮な一杯を楽しむことができます。
少々手間はかかりますが、そのぶん
本格的な味わいと癒しのひとときを体感いただけるはずです。
関連記事:日本茶をおいしく味わう保存方法のおはなし
4.終わりに

冷茶は、淹れ方によって驚くほど表情が変わります。
普段は温かく飲むほうじ茶や玄米茶で、
冷たい一杯を試してみるのもおもしろいですよ。
いろいろな淹れ方にチャレンジしていただき
お好みの味が見つかった方は、ぜひ教えてください。
コラムでは、皆さまからのささいな疑問や
テーマのリクエストを受け付けております。
お茶に関するご質問・ご相談などがありましたら
メールフォームや下記のLINEリンクから、気軽にお寄せくださいませ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
ステキなお茶時間をお過ごしください。