お知らせ・店主ブログ
【ブログ】秋だけのお楽しみ、くらだし(蔵出し)茶のおはなし
こんにちは。八王子の日本茶専門店・網代園です。
秋分も過ぎ、夜が長くなってまいりました。
秋といえば、皆さまはどんなお茶を思い浮かべますか?
今回は、秋の新茶といわれる
くらだし茶をテーマに、おはなしていきます。
くらだし茶って?
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くらだし茶とは
春に摘まれたお茶の葉を低温貯蔵し、熟成させたお茶のこと。
ひと夏、涼しい蔵の中でじっくり寝かせ、秋に蔵から取り出すことから
「くらだし(蔵出し)茶」という名称が使われているようです。
春の新茶に比べると知名度は高くありませんが
角のとれたまろやかな味わいは、古くからお茶好きの舌を唸らせてきました。
いつごろから始まったの?
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その筆頭が、なんとあの家康公。
大のお茶好きとして知られる徳川家康は、
摘んだばかりの新茶を、あえて茶壺に入れ密封し
静岡の大日峠に設けたお茶蔵の中で保管しておくよう命じました。
まだ冷蔵庫がなかった時代、標高の高いこの地は
天然の冷蔵庫として最適な環境だったのでしょう。
そして秋になり、取り出された茶壺は籠に乗せられ
家康のいる駿府城へと届けられたそうです。
現地では、この故事にならい
お茶壺道中行列、口切の儀といったイベントが今でも開催されています。
家康の愛したお茶ときくと、ちょっと興味がわいてきませんか?
なぜわざわざ蔵の中で保管しておくの?
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野菜や果物がそうであるように、日本茶も
鮮度が命と思われる方が多いかもしれません。
日本茶(緑茶)は摘み取った直後、熱処理を加えることで
発酵を止めている(酵素の不活性化)のですが、
無酸素状態でも、少しずつ酸化は進んでいきます。
しかし、適切な貯蔵環境のなかであれば、
人によって有益な反応、つまり熟成と呼ばれる変化が起きるのだそうです。
ワインやチーズと同じように、お茶も熟成する食品なんですね。
新茶特有の強い青葉の香りに代わり、
コク深い、安定した味わいがくらだし茶の特徴です。
機会があれば、秋にしか楽しめない円熟した風味を
ぜひ体験してみてくださいね。
まとめ
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味や香りのことを、文字で説明するのは難しいなと
つくづく痛感いたします。
網代園では、2022年10月20日まで
くらだし茶のご予約を承っております。
「ブログを見てもよくわからない」という方は
百聞は一見(一飲?)にしかず、ぜひ試飲へお越しくださいませ。
それでは皆さま、すてきなお茶時間を。