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【ブログ】お茶の原料・チャノキ(茶の木)のおはなし

こんにちは。八王子の日本茶専門店・網代園です。

秋は、いろいろなものが実る季節。
お茶の木も、他の草花同様に花を咲かせ、実をつけますが
実際目にしたことがあるという方は、意外と少ないかもしれません。

本日はチャノキという植物についてご紹介していきます。

 

  

チャノキ(茶の木)ってどんな植物?

お茶の原料であるチャノキは、
ツバキ科ツバキ属の常緑樹(一年中葉をつけている植物)。

茶畑では栽培のため、1メートル前後へ刈り込まれますが
野生では15メートルまで達する種もあるんだとか。

中国・雲南省原産で、寒さに強い中国種
インド・アッサム地方原産で、大きな葉が特徴のアッサム種に分けられ
前者は緑茶向き、後者は紅茶向きといわれています。

緑茶も紅茶も、元は同じ木から作られているんですね。

 

  

チャノキにはどんな花が咲くの?

チャノキは、9~11月ごろにかけて花を咲かせます。
ツバキの花の形によく似ていますが、大きさはやや小ぶりで
下を向いて控えめに咲く、かわいらしい花です。

この花、見るだけでなく飲むこともでき
島根の郷土料理「ぼてぼて茶」には
茶の花を乾燥させたものを使用することがあるそう。

また、茶の花が含むフローラテアサポニンという成分は
糖や脂肪の吸収を抑制する働きをもつことが、近年の研究結果で明らかに。

お茶の葉にはない特有の成分ということですので、今後も目が離せません。

 

  

チャノキにはどんな実が成るの?

突然ですが、この地図記号
何を表しているかわかりますか?



正解は、「茶畑」。

花が枯れたあと、一年ほど経つと茶の実が成ります。
実を半分に割ると、3~5つほどの種子が入っており
そのときの中の様子を記号化したものなんだそうです。

茶の実は、京都や兵庫、埼玉などの地域で家紋としても採用され
その数はなんと40種類以上。
茶の実が家紋となった由来は明らかでないそうですが、
私たちが思うよりずっと深く、日本人の生活に関わっていたのかもしれません。

 

 

まとめ

意外な一面をもつお茶の花と実ですが
お茶農家さんにとっては厄介者。

翌年のお茶の葉に十分栄養が行き渡るよう、花や実は刈り取ってしまうところが多く
茶畑では滅多に見ることができません。

お茶の花や実を見かけたときは
ぜひじっくりと観察してみてください。

それでは皆さま、すてきなお茶時間を。